ギリシャ正教の教会で休んでいる猫がいました。ドームのなかで輝く金色の壁画を背に、静かな時間が流れていました。

 シエスタの時間、住宅地の路上で木漏れ日とたわむれながら、猫が寝転がっていました。

 ブーゲンビリアの葉がカサッと小さな音をたてるのが面白かったらしく、夢中になってさわっていました。ふとこちらに気がつくと、動くのをやめ、我に返ったような表情になりました。