もらえる年金額を計算するポイントは?

 公的年金には、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)があります。

 老齢基礎年金は、原則20〜60歳までの40年間にわたって国民年金保険料を支払えば、満額が受け取れるしくみ。2024年度の満額は81万6000円(67歳以下)となっています。なお、保険料の払込期間が40年に満たない場合は、その分年金が減額されます。

 老齢厚生年金は、「平均年収÷12×0.005481×加入月数」という式で大まかに計算できます。つまり、平均年収が高く、加入月数が多いほどもらえる年金額が増えます。

年金はいくらもらえる?(写真:beeboys/Shutterstock.com)

 厳密には「平均年収÷12」ではなく、原則として、毎月4〜6月の給与の平均額(報酬月額)を等級表に当てはめることで、「標準報酬月額」がわかります。

 賞与がある場合は1回150万円上限、年3回まで(=合計450万円)の賞与から厚生年金保険料を納めます(年4回以上の賞与は標準報酬月額の対象となる報酬とみなされます)。

 ただし、青天井で老齢厚生年金が増え続けるわけではありません。具体的には、年収762万円を超えると、それ以上は増えなくなります。

「標準報酬月額」は32段階に分かれていますが、もっとも高い32等級の標準報酬月額は65万円です。報酬月額63.5万円以上の方は、すべて32等級に該当することになります。

 極端にいえば、仮に賞与の支払いがない場合、年収762万円も年収1000万円も毎月支払う厚生年金保険料は同じで、老齢厚生年金の金額も同じになります。