そもそも給食とはなにか

 そもそも給食とはなにか。我々は給食を漠然と学校で出される昼ご飯だと捉えがちだが、給食は法的には学校給食法を根拠とし、各自治体が直接的には予算を措置し、食材費を保護者に負担させるかたちで、栄養バランスや食育へも配慮しながら提供される奥深さを持っている。

 筆者も子どもの学校の給食の献立表をときどき眺めているが、確かに季節や国際理解促進と思しき献立などなかなか興味深い。給食も進化し続けているのだ。

 その学校給食法を見てみよう。

学校給食法

 同法によって学校給食は実施され、現状、設備費や人件費は設置者が負担しているが、食材費については原則、各家庭の負担となっている。

 学校給食法第11条より引用。

(経費の負担)
第十一条 学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは、義務教育諸学校の設置者の負担とする。
2 前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費(以下「学校給食費」という。)は、学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第十六条に規定する保護者の負担とする。

 ここで「原則」というのは、すでに「給食無償化」が困窮者支援の一環として、また自治体の独自の施策などで部分的に実現しているためだ。

 そもそも給食には3つの区分が設けられている。

・    完全給食
 給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク及びおかずである給食
・    補食給食
 完全給食以外の給食で、給食内容がミルク及びおかず等である給食
・    ミルク給食
 給食内容がミルクのみである給食
(文部科学省「学校給食実施状況等調査-用語の解説」より引用)

 筆者も完全給食を当たり前のものだと思っていたので、補食給食やミルク給食というのはなかなか想像がつかない。ただ、実際には、長い歳月をかけて完全給食化が進んでいて、文科省が2024年に実施した「学校給食に関する実態調査」によれば、学校数ベースでみても、児童生徒数ベースでみても、特に公立小学校、公立中学校で95%を超える水準になっている(国立や私立になると実施率が下がる)。

 同じく「学校給食に関する実態調査」によれば、1794の自治体のうち4割程度の775の自治体で何らかの無償化に取り組んだことがあるという(中止した自治体や実施予定含む)。

 そのなかで無償化を実施している722自治体のうち小中学校全員無償化が7割を超える547自治体。多子世帯などに条件を設ける等の自治体が145で、あわせて9割を超える状況だ。