創価学会や公明党に正面切ってケンカを吹っ掛けられる団体

──公明党や創価学会が政教分離に反している可能性を、メディアはもっと問うべきだとしばしば思います。

櫻井:大手の新聞は遠慮しています。宗教と政治の癒着がこれほど叫ばれ、統一教会の問題もさかんに報道されています。それなのに、創価学会や公明党が選挙戦でどう動いているのか、自民党との関係において教団として影響力を行使することはないのか、という点については新聞では扱いません。

 日本の中で大きな存在となった創価学会や公明党に対して、正面切ってケンカを吹っ掛けるような団体は日本共産党くらいしか残っていないのです。

──この本では主に、統一教会、創価学会、日本会議という3つの団体の政治とのかかわりについて語られています。政教分離という観点から見た場合、この3つの団体をどう見ますか?

櫻井:この3つの団体が政教分離の観点から見て、問題があると断言はしていませんが、「グレーゾーンの問題がある」と問題提起しています。

 まず国から見た場合に、国家が特定の宗教を庇護しているかどうかという観点があります。

 国際勝共連合および統一教会と日本会議の場合は、自民党を中心とした国会議員たちとの関係はかなり明らかになっています。日本会議の場合も、日本会議の議連の存在が明らかになっています。

 これだけで、便宜を図っていると断定はできませんが、とても強い関係があり、そうした団体の思想的な特徴が自民党の国家や家族に対する考え方など様々な政策に反映している可能性があります。

 教育基本法の改正や家庭教育の推進条例の制定など、国や自治体の動きに対して統一教会や日本会議がかかわっている事実があるので、宗教・思想団体の権力行使にかかわるグレーな部分だと思います。