6.日本は中国の作戦準備行動を止められるか
中国の行動をそのまま実行させていると、サラミソーセージを少しずつスライスするかのような「漸進的な小さな行動の積み重ね」(サラミスライス戦略と呼ばれる)の行動で、日本はいずれ敗北を余儀なくされる。
戦争で敗北するということは、領土を占領され、そしてその地域に中国の旗が立つということだ。
それなのに、日本の林芳正官房長官は9月2日の会見で、中国の測量艦が領海に侵入したとして、「外交ルートを通じ強い懸念を伝え、抗議した」と語っただけだった。
中国は、日本が抗議してもお構いなくやって来て侵犯している。抗議したところで、「領空・領海侵犯をやめる」とは絶対に言わない。
中国は、戦闘準備を現実に進めているのだ。
今回の領空・領海侵犯は、自民党総裁選や立憲民主党の代表選が予定されている直前に、中国が仕掛けてきたものだ。
日本の次期総理や党の代表となる人によって、対中国の軍事的な政策がどうなるのかを見極めようとしている。
具体的には、「これまでどおり懸念を伝え、抗議するだけか」、あるいは、「強硬策を実行してくるのか」などだ。
日本のリーダーが「懸念を伝え、抗議するだけ」であれば、中国は今後も、日本の弱腰軍事政策をあざ笑い、そして戦う準備を着実に実行してくるだろう。