荒川静香、安藤美姫、浅田真央の活躍

 不安もありつつ始まったフィギュアスケートの放送は、2004年の世界選手権から始まり、この大会で荒川静香が金メダルを獲得する。ただ、世間の関心の大きな変化はまだ生じなかった。

「世界選手権が終わって、帰国した荒川さんには大きな注目が集まりましたが、シーズンスポーツということでその話題も長く続くことはありませんでした」

 その後、変化の波が訪れる。4回転ジャンプの成功で知られていた安藤美姫が雑誌の表紙を飾り、数日で完売を記録するなど大きな注目を集めるようになっていった。

 2005-2006シーズンはさらに大きな波が押し寄せた。前シーズンの全日本選手権に中学2年生で出場、トリプルアクセルを成功させて2位となった浅田真央がグランプリシリーズに参戦。2位、1位の好成績をあげてグランプリファイナルに進出。この年からテレビ朝日がグランプリファイナルの放送を手がけるようになったが、このファイナルで浅田が優勝を果たした。

 その活躍に加え、年齢制限により同シーズンに控えていたトリノオリンピックに出られないこともあいまって関心が高まり、ときの小泉純一郎首相が「出られないものか」と発言するなど社会現象と化していった。