文=松原孝臣
今シーズンのテーマは?
9月30日、フィギュアスケートのシーズンの本格的な開幕へ向けての会見が行われた。出席したのは男子が鍵山優真、山本草太、三浦佳生、佐藤駿、友野一希。女子は坂本花織、千葉百音、渡辺倫果、吉田陽菜、三原舞依。MCは松岡修造と宇野昌磨。 選手は用意された3枚のボードに、3つのテーマについてのそれぞれの言葉を記入、それをもとにトーク形式で進行した。その中には、今シーズンの意味、選手たちの思いなどがちりばめられていた。
スタートは、「今シーズンのテーマ」。
友野は「羽化」と記した。
「今シーズンのフリーは『バタフライ』っていう曲を使っているんですけど、オリンピックに向けてのプレシーズンということで、僕ももうこの中だと最年長という形になって、ベテランって言われるんですけど、今がいちばん成長期だと思っています。今年サナギから成虫になって、蝶になって来シーズン羽ばたいていきたいという気持ち。今年はその完成の直前の段階かなっていうことで」
吉田は「ステップ」を掲げた。
「ホップ、ステップ、ジャンプのステップで、去年がシニアの1年目、ホップで、今年がステップで、来年がジャンプです」
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渡辺が記したのは「孤独の美しさ」。ショートプログラム「月光」と関連させながら話す。
「自分自身と向き合って自分自身をみつめることは、スケート人生を歩んでいくと考えたときにやはり必要なことだと思っていて。マイナスのイメージではなく、月の光の中にある自分自身と向き合わなければいけないという面で、今シーズンは重要なものになってくると思います」
坂本は「チェンジ」を自身のテーマにあげた。
「いちばん分かりやすいチェンジって言ったらジャンプの構成なんですけど、今まではフリップとトウループで2本やっていたんですけど、今年からフリーでフリップとルッツ2本にして、それに伴ってコンビネーションも変えていかないといけないので、構成をいじったりしました。恐怖があまりにも強すぎたらやらないかもしれないですけど、でも自分ができるかもしれないと思っているからこそ、変えてみようかなとか、やってみてそれがもしよい方向に行ったら、オリンピックシーズンに向けて自分の選択肢が増えることにもなります」