道長と対立する三条天皇が今後のキーパーソンに

 ドラマでは、これまで「仰せのままに」としか口にしなかった彰子だったが、入内して月日が経ち、少しずつ様子が変わってきた。父の道長が訪れて遊びを披露すると、彰子が敦康親王に「親王様、左大臣様にお礼を」ときちんと伝えるシーンもあった。

 そして、放送の終盤では内裏で火災が発生する。みなが逃げ惑う中、彰子は一条天皇のことを思い、炎の中にとどまっているところを、一条天皇に発見される。彰子の手をとって、一条天皇は共に火の手から逃れている。

 道長はまひろの書いた物語で、なんとか一条天皇の心をつかまなければ……と躍起になっていたが、もしかしたら火災をきっかけに2人は自然に距離を縮めていくことになるのではないか。そんな兆しさえ見えた。

 一方で、小菅聡大演じる皇太子の居貞親王が、一条天皇を引きずり降ろそうと動き出す。火災によって、三種の神器の一つである八咫鏡(やたのかがみ)が焼失すると、一条天皇に責任があるとして、居貞親王はこんなセリフを言っている。

「月蝕と同じ夜の火事……これが祟りでなくて何であろうか! 天が帝に玉座を降りろというておる」

 居貞親王は冷泉天皇の第2皇子で、花山天皇の異母弟にあたる。一条天皇にとっては、自身の皇太子でありながら、4歳年上の従兄弟という関係になる。ちなみに、道長にとって居貞親王は、一条天皇と同様に自分の甥にあたる人物だ。

 一条天皇は、実年齢にしてたったの6歳で即位しているため、居貞親王は皇太子として、ずいぶん長い年月を過ごしていることになる。さすがに、そろそろ自分の番だという思いもあったのだろう。

 今後は一条天皇が退位して、居貞親王が三条天皇として即位。道長とは対立することになる。キーパーソンとして三条天皇に注目したい。