いずれにせよ「3月12日の段階で<メルトダウン>していた(らしい)」という情報が出た。
それに対して、それ見たことか、と言わんばかりに、鬼の首を取ったような論調の報道を見るのですが、この解析とて東電が発表しているもの、今までの水位計の値が違っていたように、これも間違っている可能性がある、とは、多くの人は考えないのでしょうか?
何であれ、出てくる情報を鵜呑みにすべきではない、と私は考えます。
例えば大本営発表、文部科学省の出した「福島の学校の校庭は3.8μSv/時の空間線量でも安全」などという「暫定基準値」は、国内の労災での白血病判定、過去の判例とも矛盾するどうしようもない代物で、国が言うから安全なのだろう、などと思うべきではありません。
推察するに、例えば地元にある工場など、比較的線量が低いのに地域指定によって稼働できないところなど、社会経済に影響がある、そこから、労組その他も通じて政権与党の政治家と相談などもあって、思惑含みの数字が出るのだろうと思いますけれど、それは大人の世界、就労環境に適用し、かつ被曝線量計などで自身の健康チェックを厳密にしながら許可すべきものと思います。
どうして子供を巻き込むか?
文部科学大臣が率先して凄まじい値を「安全」と言う段階で、このような「暫定値」はすべて、きちんとチェックしなければいけないものだ、と宣言しているようなものだと言えるでしょう。
何らかの発表があったときは、常にまず、身近な空間線量などのデータ確認から、自身と周囲の安全念頭で一つひとつ落ち着いて確認することが、何より重要だと思います。
予測できたこととできなかったこと
率直に言って、今回発表された内容のすべてが、極く最近になって分かったとは思いません。初期から分かっていたこともあると思います。
また1号機の炉心がかなり重篤というのは、私自身漏れ聞くことがありました。それを隠蔽体質的に捉えるべきかどうかは分かりませんが、すべてがガラス張りだったわけではないと思います。
ただ、今回発表されるに当たっての判断は注意して考えるべきだと思うのです。東京電力が4月に発表していた対策、格納容器全体を水で満たす「冠水措置」を前提とする工程は全面的に見直されることになりました。
逆に言えば、東京電力も今回の結果が出るまでは「冠水」で冷却が行える見通しを持って対策に当たっていたわけです。
実際には圧力容器から大量の水漏れがあり、その汚染水は「超高濃度」と言われるようなもので、線量その他を勘案すると、一体何が起きたかを可能な限りきちんと説明しなければ、対策方針の変更もできない。
