黒猫はこの店のオーナーを待っていたのです。名前はヴァーニャ、まだ若いオスです。オーナー氏の話によると、ヴァーニャはオーナー氏の膝の上に飛び乗りたいけれど、従業員のおじさんとの会話を邪魔しないように、話が終わるのを待っているのだそうです。

「ヴァーニャのように賢い猫は、今までに見たことがない。猫はたいてい、食べることを優先するけれど、彼には食べることよりも大切なものがある」と話してくれました。

 大切なものとは、大好きなオーナー氏とのスキンシップ。オーナー氏は毎朝、膝の上でヴァーニャを撫でたり、頭と頭をゴッツンコしたりして、スキンシップを図り、いっしょに遊歩道を散歩してから店に戻ります。30分くらいはヴァーニャとの時間に費やし、オーナー氏とヴァーニャがご飯を食べるのはその後です。