パリオリンピック開催が目の前に迫っている。7月26日から開催されるパリ夏季オリンピックに、韓国は144人の代表選手団を派遣する。アーチェリーや射撃など22種目に参加するが、そこで5つの金メダルを目標としている。
ただ、その目標が見事達成されたとしても韓国代表チームの総合成績は20位前後と予想されている。総合16位に沈んだ東京五輪より、さらに低い成績に甘んじる可能性が高いのだ。韓国のスポーツはなぜこんなにも弱くなってしまったのか。パリオリンピックを前に、韓国社会には「韓国式スポーツエリート主義の終焉」という虚無感が漂っている。
かつての「スポーツ強国」が…
1948年のロンドン大会からオリンピックに参加してきた韓国は、2012年のロンドンオリンピックでは13個の金メダルをはじめ30個のメダルを獲得、総合5位の成績を勝ち取り、「スポーツ強国」を自負した時代もあった。
しかし、新型コロナの影響で1年遅れて開催された2021年の東京オリンピック2020では、目標を大きく下回る成績で総合16位に転落、80年代以降最低の順位を記録した。
あれから3年――雪辱を果たそうと韓国スポーツ界はパリオリンピックに向けて準備してきたわけだが、選手団の規模は大幅に縮小され、400人規模の日本選手団の3分の1の水準にとどまる有様。12年のロンドンオリンピック以後、日本の先を行っていたはずの韓国がいつの間にか日本の後ろに回ってしまった。
韓国がパリオリンピックに最大144人という“ミニ選手団”しか派遣できなくなった直接的な原因は、第一に団体球技種目の劣勢だ。韓国は7つの団体球技種目(男女で分けると13種目)の予選試合で、女子ハンドボールを除き、なに一つ五輪出場権を獲得することができなかったのだ。ラグビーやホッケーのように韓国内での不人気種目はもちろん、韓国内でプロリーグが人気を集めている男女バレーボール、男女バスケットボール、さらに40年間欠かさず五輪に出場してきた男子サッカーまでが“予選落ち”の苦汁をなめた。