(川上 敬太郎:ワークスタイル研究家)
“給与カット型”の週休3日制を導入する職場が増加
週休3日制を導入する職場が、ジワジワと増えてきています。ユニクロなどを運営するファーストリテイリングやヤフーといった民間企業だけでなく、茨城県や千葉県のように自治体などでも導入する事例が見られるようになりました。
日々忙しく働き、「ゆっくり休みたいなあ」と思っても週休3日どころか2日でさえ十分にとることが難しい働き手にとっては、週休3日制が導入されている職場はとてもうらやましい存在に映っているかもしれません。
週休2日が確実にとれている人であっても、「水曜あたりにもう1日休みがあったらいいのに……」などと思ったことがある人は少なくないはず。しっかり心身を休めてプライベートも充実させることができれば、仕事にも良い影響がありそうです。そんないいことずくめの印象を受ける週休3日制ですが、デメリットのない完全無欠な働き方なのでしょうか。
週休2日の職場で働く人にとって、週休3日になれば当然ながら休日が1日増えることになります。しかし、休日が増えることによるさまざまな影響も想定されます。どんな影響がありそうか3つの観点から検証してみたいと思います。
まずは「給与」です。ノーワーク・ノーペイの原則を踏まえると、勤務日数が1日減ればその分の給与が減ることになります。そのため、コロナ禍の真っただ中では業績が厳しくなった職場側の都合により、“給与カット型”の週休3日制が検討されているのではないかと思われるケースも見受けられました。
週休2日であれば、勤務日数は5日。それが週休3日だと勤務日数は4日になるため、週休2日の場合と比較して収入は8割に減少します。給与は基本的に勤務した時間の長さに比例するため、年収500万円の人であれば500×0.8=400万円です。週休3日だと、年収で100万円も減る計算になります。