用語の統一性など課題に

 図の中の「気象庁等の情報」のうち、「大雨特別警報」とそれに縦列でつながる「土砂災害警戒警報」「大雨警報・洪水警報」などは気象庁が発するもので、テレビの速報などでよく耳にします。

出所:気象庁ホームページより
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「キキクル」は危険度を地図上で色ごとに示す情報で、インターネット上で確認できる情報。「氾濫発生情報」につながる縦列の「氾濫危険情報」などは、気象庁と国土交通省が共同して出すケースがあります。

 ただ、改良を重ねたものの、似たような用語が並んでいたり、用語に統一性がなかったりといった課題が残されました。

 例えば、同じ「特別警報」なのに、「大雨特別警報」は警戒レベル5、「高潮特別警報」は警戒レベル4。また、言葉だけで「氾濫危険情報」と「氾濫警戒情報」の差異を判断しようとしても相当の困難も予想されます。災害の只中にいる住民が「大雨特別警報(土砂災害)」「土砂災害警戒情報」「大雨警報(土砂災害)」を瞬時に区別して適切な判断を下すことができるでしょうか。

 そうした点を踏まえ、国土交通省の水管理・国土保全局と気象庁は防災気象情報の抜本的な見直しに取り掛かりました。気象や防災の専門家らをメンバーとする検討会が立ち上がったのは、2022年1月。それ以降、サブワーキンググループでの議論も含めて専門家の知恵を集め、2024年6月18日に新たな方向性が打ち出されました。