第6位「保健体育」。理由「インドアにはいらない」「充実してない性教育受けて何になるんだよ」・・・後者は、いわゆる「はどめ規定」の問題がありますので、これについても場合により回を分けて検討しても、と思います。

 音楽、美術、体育については、後半でまとめて総括します。

 第7位「総合学習」。理由「係を決めたりするだけ」など。

 ああ、これはもう単なる人災。教師に対するまともな指導法を導入しなかった故・有馬朗人氏ら、導入者に全面的に責任がある失敗です。

 全面的な再検討が必須不可欠というのが私の見方です。

 第8位「道徳」。理由「全部きれいごとを言っているように感じてしまう」など。

 これは、まあ、そのとおりですね。子供はよく見ていると思います。

 ただのキレイゴトと子供の目にすらモロばれの、そんな陳腐な教程なら、やめてしまった方がいいでしょう。

 そうなると「道徳」なき教育という、世にも珍しい最低最悪なものが出来上がるわけですが・・・。

 現状で機能していないなら、結局そのレベルの教育にしかなっていないことになる。全国の学校のみならず職場全般でも、イジメがはびこる道理です。

 第9位「英語」。理由「翻訳機能あるし大丈夫くないですか?」「外国行く気がしない最低必要限でいいと思う」など。

 これはもう、英語だとか何だとかいう以前に、コミュニケーション力や身の回りに関する想像力の欠如として、亡国というか、滅亡後の子供たちが述べる消息としか言いようがありません。

 仮に、自分の人生に関わるような大切な契約、巨額債務の保証人とか、重要な文書を英語でやりとりするとして、それを「翻訳機能」に丸投げしたら何が起きるか?

 駒場や本郷の教室では、こう東大生諸君に注意喚起で問いかけるようにしています。

 AIの翻訳機能を「活用して」ビジネスができる人、とは、その翻訳機の性能以上の語学力を持つ人に限定されるという「黄金律」に、ここでは触れておきましょう。

 こんな了見の本音「以降」世代の子供たちに対して、いまや小学校で「英語必修」強化が進められつつあります。

 しかも教えるのは、英語指導経験ゼロが普通の「担任の先生」などと言う事態は、まさに「8歳9歳のうちから英語嫌いを国を挙げて量産する暴挙」に突き進みつつあるとしか言いようがない。

 文字通りの「亡国」を懸念します。

 そして最後が第10位「国語」理由。「『古文』とかいらない」など。

 そう、日本の国語で「漢文」や「古文」が教程に含まれている理由を、子供たちに実感をもって教えられる、語れる指導者が払底すると、こういうリアクションが出てくるわけです。

 なぜ古文や漢文が重要で、活用すると非常に強い武器になるかというメカニズムには深い背景がありますので、別に機会を設けましょう。

 端的に言って、欧州は米国と米文化を小ばかにしている面があります。 理由は簡単で、根が浅いから。

 米国にはゲーテもシェイクスピアもラシーヌもいない。

「だからどうした」と問うとしたら、米軍主導のGHQ教育解体で、本当に腑抜けにされてしまった後遺症で、つける薬が少ないかもしれません。

 こんな貧しいリアクションを「Z世代」が本音として語る現状。間違っても「これが市場の動向」などと、それに迎合するような、さらなる教育破壊などは避けなければなりません。

 子供たち「必然性が分からない」「いらない」と判定するような「教え方」になっている。これは教師自体が三行半を突き付けられていると思った方がいいでしょう。