1億倍とも言われる嗅覚生かす

 福祉の世界で我々を助けてくれる犬もいれば、我々を犯罪から守ってくれている犬もいる。それが「警察犬」だ。

 ニュースでも目にする機会の多い「麻薬探知犬」や、現場に残された遺留品の匂いから犯人や被害者の痕跡を追う「足跡追及犬」。また犯人への威嚇や逮捕時に活躍する「威警犬」など、個体差などで違いはあるものの人間の数千〜1億倍ともいわれる犬の嗅覚や高い知能を生かして、我々の暮らしを守るまさにヒーローのような存在と言えるだろう。

 警察犬になるには特殊な訓練が必要な上、なれる犬種も限られている。警察犬として働けるのは、エアデール・テリア、ボクサー、コリー、ドーベルマン、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ドイツシェパードの7種類。それぞれに体力や忍耐力、性格に特徴があり、さまざまな訓練を経てやっと警察犬として活躍するようになる。

「警察犬」ではないものの、災害時や遭難時に私たちを救ってくれる犬たちも忘れてはいけない。

 地震や土砂崩れなどの予期せぬ災害で、土砂や瓦礫の下に生き埋めになった人を鋭い嗅覚で見つけてくれる「災害救助犬」。雪山や山林で行方不明となった人を捜索する「山岳救助犬」や、海や川で溺れている人を助ける「水難救助犬」など、聞けば聞くほど犬とはなんと有能な動物なのかとびっくりしてしまう。