仲本工事さん。1974年3月11日撮影(写真:共同通信社)仲本工事さん。1974年3月11日撮影(写真:共同通信社)

 2022年10月19日夜、ザ・ドリフターズの仲本工事さんが入院先の病院で息を引き取った。仲本さんは、前日の朝9時ごろ、横浜市内の道路を横断中に、ワゴン車にはねられ、救急車で病院に搬送されていた。

 当時、仲本さんと妻・純歌さんは週刊誌報道の渦中にあった。とくに週刊誌によって「夫をゴミ屋敷と化した部屋に置き去りにする『モンスター妻』」との烙印を押された純歌さんは猛烈なバッシングに遭っていた。その純歌さんを気遣って、純歌さんが住むアパートに向かうところで仲本さんは事故に遭ったのだった。

 仲本さんがいなくなってしまったことで精神的にダメージを受けた純歌さんは、これまで表立って発言・反論をしてこなかったが、今年2月に著書を出し、いわれなきバッシングへの反論をし始めた。果たして週刊誌の報道は事実を伝えるものだったのか。そして、仲本さんと純歌さんの実際の夫婦関係は――(以下、敬称略)

第1回 猛バッシングに遭った妻が反論の著書、そして事態は法廷へ

本当はなかった「仲本がこうなったのはお前のせいだ」発言

「焼き肉屋の密談」報道はバッシングの序章に過ぎなかった。週刊新潮は11月10日号で後追いの記事を掲載する。

〈「仲本工事」緊迫の病院で「加藤茶」が“モンスター妻”に激高「仲本がこうなったのはお前のせいだ!〉

 これが見出しである。記事の最初部分の内容は、仲本が事故に遭って手術入院した後でお見舞いに来た加藤茶と高木ブーは気落ちした表情を浮かべていた。以下は記事の引用である。

〈しかし、病院で待機する間、加藤はずっと暗い顔でうつむいていたわけではない。「仲本がこうなったのはお前のせいだからな!とんでもない女だ!」純歌に対し、加藤がそう怒鳴って詰め寄る場面があったというのである〉

 仲本の世話もしない純歌に対し、加藤が非難して怒鳴ったというシチュエーションなのだろうが、純歌はこの件を真っ向から否定している。

「加藤さんも高木さんも挨拶を交わしただけで、黙っていました」

 仲本の死の原因に“モンスター妻”の振る舞いがあって、それを加藤が咎めたという構図は瞬く間にネット上に拡散してしまった。この記事の不思議なことは、加藤に対し発言の確認を取っていないことであるし、加藤はこの発言をしたともしないとも黙して語っていないのだ。ドリフの所属事務所はこの件のかん口令を出している。加藤や高木はそれに従ってだんまりを決め込んでいるのだろうか。