日本代表がアジアカップで決勝トーナメント進出を確定し、ベスト16でバーレーンとの対戦(1月31日)が決まったとき、スペインのサン・セバスティアンの地元紙「ギプスコア日報」はこんな報じ方をした。
「日本の相手はバーレーンではなく、韓国の方がよかった。そうなれば日本にとってより難しい道になっていたのだが」
日本代表よ、負けてくれ――。
この冬、ヨーロッパでそんな声をよく耳にする。日本が欧州を敵に回したような、そんな感覚すら受ける。
日本人選手に早くチームに帰ってきてほしい
なにも日本が国際舞台で嫌われているというわけではない。カタールで行われているアジアカップの開催期間はフットボールシーズン真っ只中の1月から2月にかけてだ。この間、多くの日本代表選手が欧州の所属クラブを離脱している。仮に日本が2月10日の決勝まで進めば、彼らの不在は1カ月をこえる。
当然、久保建英を抱えるレアル・ソシエダはできるだけ早く帰ってきてほしいと思うだろう。クラブのイマノル・アルグアシル監督は「日本には悪いが早く負けてくれることを願う」と笑いながら話していた。先日、今季限りでの退任を発表したリバプールのユルゲン・クロップ監督も冗談交じりに「早く負けてくれ」と語っていたものだ。彼らだけでなく、多くの監督やクラブ関係者が、日本よ負けてくれという言葉を発している。
いずれも冗談のように語っているものの、ある部分では本音でもある。