一方で「譲れないこと」は見失わずに

 これまで、相手に対する条件のハードルを下げてみては、あるいは幅を広げてみては、という提案をしてきました。ほんの少し条件を変えることで思いもよらない出会いがあるかもしれないからです。

 ただ、「中高年世代は選り好みしている場合じゃない! 誰でもいいからパートナーを見つけて結婚に結び付けましょう」などと思ってるわけじゃありません。

 誰にでも、どうしても譲れない条件というものがあります。それに妥協しまうとあとあと後悔することになる可能性が高いからです。

 つまり、「相手に望むこと」と「自分として譲れないこと」ははっきり分けよう、ということです。「相手に望むこと」はちょっと緩めに、しかし「譲れないこと」まで妥協して自分を見失わないように。

 婚活における相手への条件は、賃貸物件を選ぶときとよく似ています。駅から近く、築浅のきれいな物件で、日当たりや風通しがよく、間取りが素敵で十分な広さがあり、なおかつ安い。現実にそんな物件はありません。

 とすると、どれを重視し、どれは多少妥協してもいいか、優先順位をつけて物件を決めていくことになるでしょう。

 婚活で相手を探す条件も同様です。婚活を始めた当初「誰でもいいや」と考えている人でも、次第に自分の中にこれだけは…と思う条件があることに気が付いていきます。

 私の場合も、半年、1年と活動していくうちに次第に自分の譲れない条件というのが明らかになってきました。例えば、交際途中に“お金”についてはデリケートで話題にしにくいのですが、生計をともにするパートナーとなれば避けて通れません。私の場合、「あまり細かいことにこだわらない」「他人のためにお金が使える」という人と暮らしたいのだということに気づきました。

 完璧に自分に合う人はいません。長い人生経験を経た中高年世代なら、そのあたりは十分おわかりのことと思います。

 ですが、譲れない条件をクリアしている相手となら、たとえ希望条件をすべて満たしていなくても、今後人生をともに歩んでいくのに後悔することはないと私は信じています。

 あなたもいいパートナーに巡り会えますように。

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水無月 モル
みなづき もる Webクリエーター。無茶な要求をしてくる中高年世代のクライアント相手に、日々コンテンツ作りに奮闘している。中高年向け婚活サイト&アプリ沼にハマった末に伴侶をみつけたことをきっかけに、みなが幸せになる情報発信に目覚めたアラフィフ。