米グーグルのプライバシー方針に批判的な記事を書かせるため、米フェイスブックが裏で大手PR会社に働きかけていたという話題で持ちきりだ。
グーグルとフェイスブックはともに規制当局から厳しく監視されており、プライバシー問題には敏感。そこでフェイスブックがこの問題でネガティブキャンペーンを打ち、自社を有利な立場にしようとしたというのだ。
英フィナンシャル・タイムズなどの海外メディアは、ユーザーのサービス利用時間やオンライン広告の獲得を巡って両社の競争がますます激化していることの表れだと報じている。
「グーグルを中傷する意図はなかった」
事の発端はフェイスブックが、英WPPグループ傘下のPR会社、米バーソン・マーステラにこのネガティブキャンペーンを依頼したこと。その際の条件はフェイスブックの名を伏せておくことだった。
この依頼を受けてバーソンは「グーグルが大規模にユーザーのプライバシーを侵害するサービスを密かに開始した」とする電子メールを、メディアやハイテク関係の著名人に送った。
グーグルが2年前に始めた「ソーシャル・サークル」と呼ぶサービスの機能を強化しており、これが問題だと指摘したのだ。
5月3日には著名ブロガーのクリストファー・ソゴイアン氏に電子メールで記事の執筆を依頼、米ワシントン・ポストや米AOLのニュースサイト、ハフィントン・ポストなどへの掲載を考えていると伝えた。
ソゴイアン氏はプライバシーやセキュリティー問題に詳しく、グーグルのソーシャル・サークルの問題は重要度が低いと考えていたため、何か意図的なものを感じ、依頼者が誰であるかを尋ねた。
しかしバーソンは、クライアントの名前は教えられないと答えを拒否。憤りを覚えた同氏は、バーソンとやりとりしたメールをネットに公開した。