米AOLが米国の人気ネットニュースサイト「ハフィントンポスト」を買収すると発表し話題になっている。
AOLは従来の会員制インターネット接続サービスから、広告収入を柱としたビジネスモデルへの転換を図っている最中で、ここのところ様々な企業を買収し、他社のブランドやコンテンツを自社事業に注入しているが、肝心の広告収入やサイトのアクセス数は減少が続いている。
こうしたことから同社はおそらくこれを最後に当面大規模な買収はできないだろうと米欧のメディアが伝えている。
著名人の寄稿記事が人気のインターネット新聞
AOLが今回買収するハフィントンポストは2005年に設立された「インターネット新聞」。月間の訪問者数は2500万人で、1年前から22%増えている。
著名人や専門家による寄稿記事が人気で、寄稿者には、バラク・オバマ米大統領、ヒラリー・クリントン米国務長官、米グーグルのラリー・ペイジ次期最高経営責任者(CEO)、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長といった人物が名を連ねている。
興味深いのは、ハフィントンポストの共同創設者のアリアナ・ハフィントン氏も著名人という点だ。同氏は、ギリシャ系アメリカ人の作家でコラムニスト。
テレビやラジオ番組にもたびたび出演し、2003年には独立候補としてカリフォルニア州知事選に参加したという経歴も持つ。
AOLが今後どのようなビジネス展開をするかというと、「ハフィントンポスト・メディア・グループ」という事業部門を設置し、ハフィントン氏を同事業の社長兼編集長に就かせる。そしてAOLがこれまで買収してきた各事業をこのグループの傘下に置き、ハフィントン氏が統括する体制を築く。
AOLが2005年に買収したデジタル機器専門ブログ「エンガジェット(Engadget)」、昨年買収したニュースブログの「テッククランチ(TechCrunch)」をはじめ、地図サービス「マップクエスト(MapQuest)」、映画情報サイト「ムービーフォン(Moviefone)」などとハフィントンポストのコンテンツを組み合わせ、ニュースや地域情報、エンターテインメント、動画といったサービスを提供する次世代の「アメリカン・メディア・カンパニー」を作るとしている。