(英フィナンシャル・タイムズ紙 2023年11月29日付)

中国グループが米国グループを上回る可能性は極めて薄い

 少し前まで「ほとんどの国の政府は、経済面の統合が進めば長期的な繁栄が促されると信じていた。ところが今では、その統合がリスクと不安の源泉だと思われている」――。

 ロンドンを本拠地とする経済調査会社キャピタル・エコノミクスは「2024年の分断された世界経済の姿」の興味深い分析をこのような前置きで始めている。

 経済と政治は互いに影響し合うのが常だ。しかし、今日では政治の方が重要になっている。

 そのためこの分析は、米国と中国の危険をはらんだ関係がグローバル経済の形を変えつつあるという着想から行われている。

 キャピタル・エコノミクスによれば、世界の国は5つのグループに分けられる。

 米国とその親密な同盟国、どちらかと言えば米国寄りの国々、非同盟諸国、どちらかと言えば中国寄りの国々、そして中国とその親密な同盟国という色分けだ。

5つのグループに分かれる世界の国

 第1のグループは米国とカナダ、欧州諸国(ハンガリーは除く)、日本、オーストラリア、ニュージーランドから成る。

 第2のグループの筆頭は何と言ってもインドだが、コロンビア、メキシコ、モロッコ、トルコ、韓国なども名を連ねる。

 ここで言う非同盟諸国では、ブラジル、インドネシア、ナイジェリアの3カ国が重要だ。

 第4の中国寄りのグループに入るのはアルゼンチン(確かに、つい数日前まではそうだった!)、大半のアフリカ諸国(南アフリカ共和国を含む)、イラク、カザフスタンであり、キャピタル・エコノミクスはサウジアラビアもここに入れている。

 最後に、中国と緊密な関係にある第5グループにはロシア、イラン、パキスタンが入る。