特待生制度がある学校への進学を検討

 現時点で、上記のようなシミュレーション結果が見えたDさんご一家でしたが、娘さんは小学6年生ということもあり、なかなか費用を下げられないとのこと。息子さんについては、今後は家計の状況をしっかり把握した上で、いくらまでなら家計から捻出できるのかを私と一緒に慎重に検討していくことにしました。

 また、娘さんは、幸いなことに成績がとても優秀なので、進学先についても「特待制制度」がある私立の中高一貫校への進学を検討することをアドバイスさせていただきました。中堅校から上位校、難関校まで幅広く特待制制度を実施している学校があります。

 成績優秀者であれば、親の年収不問で年間の授業料が免除される学校が増えているので、調べてみる価値はあるといえます。

祖父母の資金援助で乗り切る方法も

 さらに幸いなことに、Dさんの奥様のご実家のお父様、お母様がそれなりの資産がありそうだったので、「教育資金贈与の非課税制度」を活用して、教育資金を贈与していただくことを提案。

 教育資金贈与の非課税制度とは、両親、祖父母などが、30歳未満の子ども、孫などに教育資金を一括贈与した場合、1人あたり最大1500万円(習い事などは最大500万円)までは非課税になる制度です*1

*1教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置(文部科学省)

 入学金、授業料、施設設備費、入学試験の検定料、学用品費、修学旅行費、給食費などに利用する場合には、最大1500万円までの贈与が可能。学習塾、習い事などの費用に利用する場合には、最大500万円までの贈与が可能です。

 教育資金一括贈与は、期間を定めた時限的な措置ですが、令和5年の税制改正で期間が延長され、令和8年3月31日まで利用することができます。

 Dさんの奥様は、早速、ご両親にこちらの制度について話してみるとのことでした。祖父母に資産がある場合には、前向きに検討したい制度です。