(写真:CFoto/アフロ)

 今後の米アップルにとって最大のリスクは、中国通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)の復活だとの観測が流れている。

 ファーウェイが2023年8月に発売した最新スマホ「Mate 60 Pro」には、比較的高性能の半導体が搭載されている。米CNBCによれば、これにより米政界やテクノロジー業界に衝撃が走ったという。

これまでの華為

 19年、当時のトランプ米政権はファーウェイを安全保障上の脅威とし、同社に対する禁輸措置を講じた。ファーウェイは半導体など重要部品の供給制約を受けて、スマホ事業が壊滅的な打撃を受けた経緯がある。

 当時、ファーウェイが自社設計したスマホ用半導体は、TSMC(台湾積体電路製造)が製造していた。CNBCによれば、TSMCは世界最先端の半導体受託生産企業で、中国本土にTSMCに匹敵する企業はない。

 米政府による禁輸措置で、TSMCからの半導体供給が途絶えたファーウェイは、しばらくスマホ市場の表舞台から消えていた。

華為の新半導体とSMICの技術力

 しかし、Mate 60 Proに搭載された半導体は、中国の半導体受託生産大手、SMIC(中芯国際集成電路製造)が製造したとみられる。SMICもファーウェイ同様に米政府の制裁措置を受けている。

 このことはSMICが西側諸国の最先端装置を用いなくとも、比較的高度な半導体を製造できることを意味している。