「できるだけ近く」ということで、波打ち際まで行ってみる。

 弁天島までの距離は700mぐらい。その間にゲンベイ礁という岩礁があり、そこにも灯標(暗礁や浅瀬などの上に立っているもの)がある。

 灯台の向こう側は、広々とした津軽海峡と、その先にある北海道だ。大間埼灯台は、本州側の代表にふさわしい堂々としたたたずまいを見せている。

 大間から函館行きのフェリーには今回は乗らなかったが、ここよりも弁天島の近くを通ることはなさそうだ。少なくとも陸からとは違う方向から見られるだろうが。

陸奥弁天島灯台

 大魚島灯台を挟んで大間埼灯台と反対側、下北半島の南西端にあるのが、陸奥弁天島灯台だ(ここも弁天島という名前だ)。津軽海峡から陸奥湾に入ってきた船が、この灯台を回り込むように左に舵を切ると、大湊や野辺地に向かうことができる。

 なんと、弁天島(地元では鯛島と呼ばれることが多い)には上陸できるのだ! 無人島灯台に(船のチャーターではなく)上陸できるところは、日本国内でかなり珍しいだろう。非常に貴重な場所だ。

 利用するのは、脇野沢港から出る観光遊覧船「夢の平成号」の「貝崎周遊・鯛島上陸コース」だ。と、いさんで出かけたら、この日は「波が荒いので欠航」になってしまった。

 冬期は運行していないし、天候(主に波)の具合で欠航になるので、確実に利用できるとは限らないところが難点だ。

 なんとも残念だが仕方がない。あきらめてほかの方法で近づくしかない。

 まずは陸側からアプローチする。脇野沢港からもう少し南西に行ったところに牛ノ首岬というのがある。ここにある「牛の首農村公園」に行ってみたら、おお、鯛島が真正面に!

 波打ち際まで行ってよく見てみる。口、目、尾びれがあって、確かに魚っぽい。