昨年11月24日、FIFAワールドカップ・グループステージ、対ドイツ戦で同点ゴールを決めた堂安律(写真:新井賢一/アフロ)

 今年の春に日本サッカー協会が今年行われる国際親善試合の日程を発表した。そこで目が止ったのが9月9日にドイツとドイツ国内で試合が行われるということだった。正確には日本時間10日午前3時45分、ドイツ・ヴォルフスブルクでキックオフになる。

 昨年11月のカタールW杯でのグループリーグ第1戦で日本はドイツと対戦することになり、下馬評は圧倒的にドイツの有利だったが、日本は2-1で逆転勝ちをした。この試合の戦術については後述したいが、あれから10カ月を経て再戦が行われるというのだから楽しみしかない。

ドイツにとっては絶対に負けられない試合

 ドイツサッカー連盟が、JFAへの1億円ほどのギャランティーに加え、日本チームの旅費・宿泊代を全て負担するという条件で試合を申し込んできたというから、W杯での敗戦がよほど悔しかったのだろう。一応、国際親善試合という名目だが、間違いなくリベンジマッチであり、国際的にも注目されている。ドイツは日本戦の後に宿命のライバル・フランスとの試合があり、日本はベルギーに移動してトルコと試合予定である。

 日本に大差で勝たなければならない意識がドイツにはあるだろう。というのもカタールW杯でドイツを指揮していたハンス・フリック監督にとって9・9およびその後のフランス戦が最後のテストになるからだ。W杯後ドイツは5戦を消化しており、1勝1分け3敗と絶不調でフリック監督更迭説まで出ている。

また森保ジャパンに敗れれば更迭される可能性が高いとされる、ドイツ代表のハンス・フリック監督(写真:picture alliance/アフロ)

 監督の座に残るためには、圧倒的な力の差を見せつけて日本代表を叩きのめすしか術はない。もし日本に敗退すればクビはすげ替えられることになるだろう。相手チームの監督が自身の運命を賭けて臨んでくる大事なゲームの相手が日本代表というのだから、このゲーム、日本のサッカーファンにとっては今年一番のイベントと言っていいだろう。