(小林偉:大学教授・放送作家)
「ケセラセラ」が広まったきっかけ
現在ヒット中の、Mrs. Green Apple「ケセラセラ」。
テレビ朝日系ドラマ『日曜の夜ぐらいは・・・』の主題歌として書き下ろされ、SpotifyのCMソングにも採用されていますから、彼らのファン以外の方も数多く耳にされていることと思います。
この「ケセラセラ」というのは、スペイン語圏では「なるようになるさ」というような意味を持つ、自分や他人を励ます呪文のような言葉として使われているようですね。Mrs. Green Appleの曲中でも、冒頭から♪ケセラセラ、今日も唱える・・・って歌われていますし。
この「ケセラセラ」という言葉を広く知らしめたのは、1956年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック監督の映画『知りすぎていた男』。劇中、主演俳優の一人であるドリス・デイが歌ったこちらの曲です。
この曲はアカデミー歌曲賞も受賞。歌手でもあるドリス・デイは2019年に97歳で亡くなってしまいましたが、彼女にとっての生涯の代表曲でもありました。
この曲中でも「Que Sera, Sera, Whatever Will Be, Will Be」と英語でダメを押すように「なるようになるさ」と歌われています。
そんな歌詞の持つ普遍的なメッセージ力からか、コニー・フランシスやメリー・ホプキン、ナタリー・コール、石井竜也など世界中で数多くのカバー・ヴァージョンが生み出されています。中でもファンク・バンド、スライ&ザ・ファミリー・ストーンによる脱力系(?)カバーは、筆者イチ推しです。
さて、この「ケセラセラ」のように、一見すると呪文のような謎の言葉をタイトルにした曲って、意外にたくさんありますよね。例えば、こちら・・・。