(写真:當舎慎悟/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが動画配信サービス「Prime Video」に本格的に広告を導入することを検討していると、米ウォール・ストリート・ジャーナルロイター通信が報じている。

狙いは収益向上か

 Prime Videoではすでにスポーツ中継など一部のコンテンツに広告を入れている。ドラマ作品などでは商品プレースメント広告を導入している。だが、今後はヒット映画や人気ドラマなどの配信途中に広告を挿入することを検討しているという。

 事情に詳しい関係者によると、これらの協議は数週間にわたって続いているものの、まだ初期段階だという。競合する米ネットフリックスや米ウォルト・ディズニーは22年に広告付きプランを導入している。広告主はアマゾンにも同様のプランを展開してもらいたいと希望している。とりわけ、現在広告なしで提供されているプレミアム映画・番組に自社広告を出したいと考えている。

 ただ、アマゾンの場合、低料金サービスを提供して加入者数の拡大を目指す、というよりも広告事業を拡大して、収益増大を図る狙いなのかもしれない。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンはPrime Videoに広告を導入するさまざまな方法を検討している。そのうちの1つは、既存のPrime会員に対する広告表示を増やす一方で、広告なしのプランを用意して追加料金を徴収する、というもの。

 「アップセル」とも呼ばれる、上位で高い商品への買い替えを勧める手法は、最近、音楽配信サービス「Amazon Music」にも採用された。アマゾンは22年11月、Prime会員に追加料金なしで提供する同サービスで、配信楽曲数を従来の200万曲から1億曲に増やした。