6月4日、ウクライナ東部のドネツク州クリシウカ付近からバフムート方向のロシア陣地を攻撃するウクライナ陸軍の軍用車両。ウクライナ陸軍 第3独立強襲旅団提供のビデオ画像からのスクリーンカット(提供:3rd Assault Brigade/Ukrainian Armed Forces Press Service/ロイター/アフロ)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

ウクライナ軍「バフムート方面で支配的な高台を占領」

[ウクライナ中部クリヴィー・リフ発]ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は5日、メッセンジャーアプリのテレグラムチャンネルで「いくつかの地域で攻撃的な行動に移行している。(東部ドネツク州の激戦地)バフムート方面は依然として敵対行為の震源地だ。そこでかなり広範囲に行動し、前進している。支配的な高台を占領している」と述べた。

 マリャル国防次官はさらにこう明らかにした。

「敵は防御に徹し、陣地を保持しようとしている。南部で敵は守勢に回っている。局地戦が続いている。ロシアが積極的に反攻の情報を流している理由はバフムート方面での敗北から注意をそらす必要があるからだ。ホルティツィア作戦戦略グループは東部戦線で攻撃行動を展開している」

「敵の激しい抵抗と陣地防御の試みにもかかわらず、わが部隊はいくつかの地域で前進している。バフムート方面の2カ所でそれぞれ200~1600メートル、100~700メートル進んだ。戦闘は続いている」

 ウクライナ軍は、バフムートを制圧したロシア軍を逆に包囲しようとしていると一部のアナリストは解説する。

 ウクライナ地上軍のオレクサンドル・シルスキー司令官のテレグラムチャンネルによると、突撃旅団の戦車が敵陣を破壊し、部隊が小さな森林地帯を前進している。戦闘の規模については言及を避けているものの、バフムートに向かって「われわれは前進を続けている」という。ここ数日、ウクライナ軍はバフムート周辺で前進するため限定的な努力を続けていた。