聖地巡礼ならぬパン地巡礼
「聖地巡礼」という言葉をご存知だと思う。
「聖地」というとキリスト教・ユダヤ教・イスラム教信者ならエルサレムを思い浮かべるだろう。
そこから転じて「聖地巡礼」は、ドラマ・映画・漫画・アニメ・小説などの舞台や、ロケ場所、著名人と縁のある場所、ファンにとって思い入れのある場所を「聖地」として巡ることを指す。
その「聖地巡礼」から派生した「パン地巡礼」が、韓国ではいま大ブームになっている。
美味しいパンを求めてパン屋を巡るのだ。パン地巡礼は韓国の新造語である。
筆者の個人的な感想ではあるが、一昔前の韓国では、パンやケーキは全体的に美味しくなかった。
美味しいパンがあるとしても、ほとんどが五つ星ホテルのデリカテッセンなどで売られる高価なものであった。
だから、たまに日本へ行くと、どこで買ってもパンが美味しく、コンビニエンスストアでさえも美味しくて羨ましかった。
それは筆者だけの考えではないらしく、韓国人は日本へ行くと、コンビニでお菓子やパンを買って食べるのが必須コースでもあった。
しかし、今では韓国でも美味しいパン屋さんが全国に散らばっている。
テジョンの「ソンシムダン」、グンサンの「イソンダン」、アンドンの「マンモス製菓」、クァンジュの「クンジョン製菓」、ソウルの「ナポレオン製菓」など、各地に特色のあるパン屋さんが存在する。