その路地の先にあるお寺では、本殿の階段で犬が休んでいました。通りかかった観光客が、「Holy Dog(聖なる犬)」と呟いて、犬に合掌していました。たしかに犬の寝顔は、微笑みをたたえているように見えました。

 この路地には人通りがほとんどありませんでした。犬が向いた方向にお寺の境内が広がっています。犬は、自主的に警備員を買って出ているようでした。

 まるで蝉のように、子猫が木に止まっていました。「子猫は木登りの練習をしているところで、ただいま休憩中」だと、午後のティータイム中の小僧さんが話してくれました。