プスプスプス……と、小さく呼びかけると、「え!?」という顔をしたあと、すっ飛んできて、わたしの足を上ってこようとしました。リトアニアでなんといって猫を呼ぶのかを聞いてなかったので、思わず口から出てしまった音でしたが、猫に気づいてもらえたようです。

 ここは大規模アパートの裏庭です。居住するお年寄りの有志たちが好きな時間にこの場所へきて、気楽におしゃべりしながら猫の世話をしているのだそうです。塀と植栽の間には、大きな棚のような猫たちの小屋が設置してありました。

 名前と電話番号が刻印されたチャームをつけた猫が、お年寄りが世話をする猫たちに混じって遊んでいました。近くの家からときどき遊びにくる猫だそうです。

 お年寄りが世話をする猫たちも首輪をつけています。面倒を見ている人がいますよと示すためで、「年金をやりくりして買ってやっているのよ」と、笑いながら話してくれました。