コスタリカ戦の敗戦から一夜明けた11月28日、メディアの取材に応じる森保一監督(写真:AP/アフロ)

 日本中が深いため息に包まれた。サッカー・カタール・ワールドカップ・グループステージ第2戦(11月27日・アフメド・ビン・アリー・スタジアム)で日本代表はコスタリカに0―1で敗れた。

 前半の立ち上がりからコスタリカを攻め込もうとするも決定機はほとんど作れず、とても重苦しいムードが漂った。5バックを敷く堅守の相手にプレスをかけて崩し、突破口を切り開こうと試みたもののゴールが遠過ぎた。FIFA(国際サッカー連盟)の示したデータによれば、前半のボール保持率はコスタリカが52%、日本が38%。しかし、こんな数字はどうでもいいと思えるほどに前半の試合内容は、すごく「退屈」だった。

ワンチャンスをものにしたコスタリカ代表

 前半のコスタリカが横パスやバックパスを多用しながら相手の出方を伺う一方、日本は縦パスを入れられず攻め手を欠いた。何度かゴール前に迫るなどペースこそつかみかけながらも、コスタリカの守備陣を崩せない。

 そこで森保一監督は前半35分を経過した辺りから仕掛けた。右サイドバックの山根視来(川崎フロンターレ)を右ウイングバックに引き上げ、左サイドバックの長友佑都(FC東京)が板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)、吉田麻也(シャルケ04)と3バックを形成。11月23日のグループステージ初戦で強豪ドイツを大きく混乱させ、ジャイアントキリングを成し遂げた3―4―2―1へシステム変更し、打開策を見出そうとした。

 後半からはFW浅野拓磨(ボーフム)、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)も投入。さらに後半17分にはDF山根視来(川崎)を下げ、MF三笘薫(ブライトン)が入って攻撃にリズムを与えようと活性化を図った。しかし詰めが甘く効果的なパスをつなげられず最終ラインに5枚を並べる鉄壁の相手DF陣を崩せないまま、ゴールをこじ開けることができなかった。そして後半36分に吉田の中途半端なクリア気味のパスミスからピンチを招き、ケイセル・フレール(CSエレディアーノ)に痛恨の先制を許した。