(オセラビ:作家・コラムニスト)
先日、あるブログに、日本旅行記が上っていたのだが、それを読んで、思わず爆笑してしまった。
韓国人の若い女性と推定されるその個人ブログには、福岡に到着して、ホテルに宿を取り、色々な日本食を食べた写真と、その批評が詳しく記されていた。
焼き鳥屋で芋焼酎を飲み、大好きなから揚げと、ソースのかかったキャベツがとても美味しかったのだという。そして、「日本で食べるキャベツは、なぜこんなにも美味しいのだろうか?」と、自問している。
また、空港内の食堂で食べた牛丼とうどんは、とてもこの世の味ではないと、大げさに書いていた。「久しぶりに旅行できた日本ならではの雰囲気が最高!」と、感嘆詞まで残すぐらいだから、よほど楽しかったのだろう。
私が爆笑した部分は、その最後の部分だった。
「日本製品不買運動『NO JAPAN』以降、日本旅行にも行かず、日本製品不買もしているが、近い国だし、たまにはこのように訪問したい」と綴られていたのだ。さらには、旅行記の終わりが「NO JAPAN!」の掛け声で締め括られていたから爆笑である。
この若い女性は、心の片方では、相変わらず「NO JAPAN」なのに、日本に旅行に行き、これまで食べたかったものを食べショッピングをして、それらを楽しむという、まるでコメディのような状況を、自ら演出しているのである。
この女性の滑稽で矛盾した言動は、NO JAPAN運動の余波と言えるはずだ。
これだけでなく、近年、フェイスブック、インスタグラムなどのSNSには、日本旅行記が頻繁に上っている。狂気じみたNO JAPAN運動のすぐ後に勃発したコロナによる旅行制限で、足止めを食らっていた若者が、大挙して日本へ旅行し始めたことを示す一例だ。
フェイスブックは、日本で購入した、北海道産の昆布スナック、北海道産の明太子など、日本特有の様々な食料品を購入した写真と、ワインショップを訪問して素敵な時間を過ごしたというような内容であふれている。