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ナイジェリアの若手起業家たちと筆者(筆者提供)

(文:不破直伸)

約14億人の人口を有するアフリカのポテンシャルは計り知れない。約7割を占める30歳以下の若者を中心にスタートアップが続々と立ち上がり、2021年は過去最大の52億米ドルに及ぶ投資額を集めた。ナイジェリアでスタートアップ支援を行う国際協力機構(JICA)の不破直伸氏がアフリカのスタートアップの強みを解説。

 アフリカの最大の魅力は人口。現在のアフリカの人口は約14億人で、中国やインドとほぼ同じ規模だ。約7割が30歳以下の若者であり、新しい技術を積極的に活用する世代とデジタルイノベーションは非常に相性が良い。アフリカへのスタートアップ投資が急増し、エコシステムが成長する中、若者の活躍が今後のアフリカの成長の鍵となる。

 シンガポールのアントラー社の調査によると、アフリカの成長段階からユニコーン(評価額が10億ドルを超える、創業10年以内の未上場企業)までのステージにある企業の創業者114人にヒアリングしたところ、創業時の年齢の中央値は29歳、35歳以上はわずか20%と、30歳以下・30歳前後の若者が中心だ。

JICAの起業家支援「Project NINJA」

 筆者が所属する国際協力機構(JICA)は、2020年1月にアフリカを含む各国のスタートアップ・エコシステムの強化に取り組む起業家支援プロジェクト「Project NINJA(Next Innovation with Japan)」を立ち上げ、筆者はプロジェクトの発起人として活動を続けてきた。

 Project NINJAの活動を通じて、スタートアップエコシステムの様々な関係者と連携し、社会課題解決に取り組む起業家を支援・育成することにより、社会課題解決、雇用創出およびリバースイノベーションの創出を目指している。貧困・格差の拡大、不十分な衛生状態、水・食料の不足、インフラの未整備等、アフリカには多くの社会課題が存在する一方、自らが痛みを感じている社会課題を解決したいという優秀な起業家が多い。Project NINJAは彼らと一緒に課題解決に取り組む伴走型の支援である。

 また、政策提言から産業毎の起業家間の連携促進、開発途上国の起業家と日本企業とのマッチングや他国展開支援等も実施している。

南アフリカで開催されたカンファレンス

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