「巻かれて」苦しむ子どもたち

 上海市では今年(2022年)、高校入試改革が行われ、受験科目や点数の構成に大きく変更が加えられた。さらに、私立中学と公立中学のバランスを保つため、公立中学には、市の重点高校の受験枠が特別に設けられた。

 そうした改革によって今後は徐々に公立中学を選ぶ親も増えるといわれている。とはいえ、おそらくそう簡単にはいかないだろう。

 中国ではここ数年、社会現象として「内巻」という言葉がよく使われるようになった。直訳すれば「内側に巻かれる」という意味だが、要は「みんなが頑張っているから自分も頑張らないとついていけない。ただ、頑張れば頑張るほど、競争がますます激しくなり、終わりが見えない」という状態を指す。中国の受験戦争は「内巻」の最たるもので、競争社会が生む歪(ひずみ)である。

 上海市の高校入試改革や特別枠の設置も、目的は子どもが「巻かれない」ようにするためのものだ。ただ、親がコネを駆使して、結果的にますます子どもが巻かれてしまっているのは皮肉である。