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(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)

 中国全土で新学期が始まる9月。子どもたちがみんな新しい学校生活に胸をふくらませているかというと、けっしてそんなことはなく、複雑な思いで新学期を迎える子どもも少なくない。とりわけ、中学・高校の新1年生になる子どもの心境は複雑だ。

 なぜか? それは、夏休みに行われたクラス分けテストによって、特進クラスに入った子とそうでない子がいるからだ。

 上海では一般的に、9月から中学生、高校生になる子どもたち向けに、新学期前の夏休み中にクラス分けテストが行われる。そのため子どもたちは、夏休みにこのテストのための勉強をしなければならない。中学校に上がる際のクラス分けテストは、30~40%程度が中学で習う内容、つまり小学校で習っていない内容なのだという。そのため、夏休み中のテスト対策は必須である。親からも厳しく勉強を命じられる。

 ただ、勉強を頑張るだけでは、必ず特進クラスに入れるとは限らない。どうしても子どもを特進クラスに入れたい親は、ある手段を講じる。それは、コネを使うことだ。

 中国の人は、すべての物事においてコネを使う。特に子どもの進学においては、使えるコネはすべて使おうとする。コネに頼るのは裏の手ではあるが、誰もが使えるだけ使うので、割と堂々としたものだ。