文在寅政権は、北朝鮮に忖度して脱北者の韓国亡命を阻止しようとしたのではないか(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(ファンドビルダー:韓国人コラムニスト)

◎第1回「文在寅政権の嘘が明らかになった脱北漁師強制送還事件の解けない疑問」から読む

 2006年5月24日、北朝鮮に住むパク・ミョンホ氏は韓国に亡命するために、家族(妻と2人の息子)と一緒に船に乗り、午後1時に黄海道の海岸(西海側)を出発した。

 そして、24時間後に仁川の付近の栗島という島の港に自力で到着し、亡命することに成功した。パク・ミョンホ氏は、2021年10月25日、「チョン・ユナOneKorea」というユーチューブ放送に出演し、「船で亡命するのに何時間かかりましたか?」という質問に対して次のように答えた。

「北朝鮮海軍を避けるのに2時間、韓国海軍を避けるのに22時間!」

 当時、パク・ミョンホ氏が出発した北朝鮮の海岸から到着地点(韓国の栗島の港)までは、それほど遠くない距離だった。パク・ミョンホ氏は北朝鮮の海岸を出発してから、2時間後に西海のNLL(北方限界線)に到着したが、韓国海軍を避けるため慎重に南下したため、さらに22時間もかかったのだ。

 彼の亡命ストーリーは、韓国のマスコミやVOA(Voice Of America)などに紹介され、「オールドマリンボーイ」というタイトルのドキュメンタリー映画にもなった。この映画は、2017年に韓国で公開された。

「韓国海軍を避けるのに22時間!」という彼の返事に、ユーチューブ放送の進行者は驚いて再び質問し、パク・ミョンホ氏はその理由を説明した。

「いや、韓国海軍をなぜ避けるんですか?」(進行者)
「海で韓国海軍に会うと、全部(北朝鮮に)帰されるからだ」(パク・ミョンホ)
「え?」(進行者)
「陸地に行けば大丈夫だが、海に行ってはいけない(海上亡命は韓国海軍によって封鎖される)という噂が黄海道に広まっている」(パク・ミョンホ)

 パク・ミョンホ氏は、2021年9月17日、他のユーチューブ放送でも次のように証言している。