いかにして予防するか、「3大予防策」伝授

 天然痘は人類史上「撲滅」された、ほぼ唯一の伝染病とされます。

 日本では1955(昭和30)年に「撲滅」、昭和49年生まれを最後に、種痘はなされなくなりました。

 私は1965年1月生まれで種痘を受けていた世代です。

 しかし1974年生まれ、現在48歳以下の全日本国民は、原則、種痘を受けていないとされます。

 この病気に、とりわけ早い時期に罹ってしまうと、いまだ治療体制も十分でなく、症状が悪化する懸念があります。また特に、小児や若年層に発症しやすいという報道もあります。

 特に「疱症」では「顔面瘢痕」などの、決して「新型コロナ」では問題にならなかった後遺症が出ることを、十分留意する必要があります。

 大学内で学生と話していると、こうした「古い病気」への対策は、私のような「古い日本人」が過去の防疫の知恵を受け継いでいるのを痛感します。

 私は昭和中期、東京オリンピックの年に生まれましたが、私の両親は1925、1926年の大正生まれ。

 ちなみに祖父は明治16年、曾祖父に至っては文久2年と、江戸時代からたった3代しか経ていない。大変「古い日本人」ということになります。

 明治の外交官だった曾祖父はハワイやメキシコ奥地、ブラジルではアマゾンまで派遣され、現地の風土病で部下を失っています。

 また祖父は100年前、米国で初期の自動車産業のエンジニアでしたので、スペイン風邪を現地で経験、明治大正の2代、海外のヤバいエリアで徹底した防疫、消毒の生活習慣を身に付けました。

 孫の末娘が20年前に死んだ私の母で、彼女を通じて<防疫3箇条>が家伝として伝わっていますのでご紹介しましょう。

 大正生まれの母は昭和30年に天然痘が撲滅される以前の世代ですから、瘢痕を持つ人を現実に目にしており、消毒は徹底していました。

 以下、ほとんど私が母から習ったままですが、一部表現を改めて記します。