無類のマヨネーズ好きが生活習慣病の要因?

 ロシアは医療体制が他の先進国と比べて劣っているわけではないが、死因の上位には、冠動脈心疾患や脳卒中といった循環器系の生活習慣病が多い。一般に、こうした病気は肥満、高血圧、高脂血症などが動脈硬化を引き起こして発症するケースが多いとされる。

 国土の大半が寒冷地のロシアでは、高カロリー食品が好まれる傾向がある。一例として、ロシアは高カロリーなマヨネーズの消費量が世界一(1人当たり消費量は日本の3倍以上)となっている。どんな料理にもマヨネーズを入れて食べるという無類のマヨネーズ好きだ。

 生活習慣病が多い要因として、そうしたことが挙げられるのかもしれない。

「大量のアルコール摂取」も短命の背景に

 それとともに、代表的な死因として肝臓疾患、肺がんなど、飲酒や喫煙関連の疾病が並ぶ。男性の高い死亡率の要因として、大量のアルコール摂取や喫煙が挙げられる。

 世界銀行のデータによると、15歳以上の男性1人当たりの純アルコール消費量は、2018年時点で年間約19リットルと、日本の約12リットルを大きく上回っている。これは寒冷な気候を乗り切るために、ウォッカなどアルコール度数が高い酒類を飲むケースが多いためと考えられる。

 ロシアでは政権幹部にも、飲酒が好きな人が多いようだ。2016年にプーチン氏が来日した際には、「東洋美人(山口県萩市の地酒)という酒を試すことができました。すばらしいお酒です。おすすめします。ただし、ほどほどにしなければいけません」と、同氏が日本酒を堪能したことを首脳共同記者会見のなかで語っている。

2016年に来日した際には日本酒を嗜んだプーチン氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 この純アルコール消費量は、2000~2010年にかけて、26~28リットル台と世界屈指の高水準で推移した。その影響が高い死亡率として継続しているものとみられる。ちなみに、女性はロシア約5リットル、日本約4リットルで同程度となっている。