住宅地は緑豊かで、野っ原とも荒れた花壇とも区別がつかないような場所もあります。猫たちは気配を消しながら、集まっている虫を観察していました。

 日の当たる花壇の近くでは、犬が飼い主さんとアイコンタクトをとりながら、ごきげんに走っていました。もう高齢なので、好きなようにさせているとのことでした。

 通りに面したパン屋さんの店先に猫がいました。「ベンチの上に乗るのは、猫好きな人が店の前を通りかかるときだけ。あなたが猫好きだとわかっているということよ」。店のマダムが笑いながら話してくれました。