中国人民解放軍の準中距離弾道ミサイルDF-21D(資料写真、2015年9月3日、写真:新華社/アフロ)

(北村 淳:軍事社会学者)

 中国海軍設立記念日直前の4月20日、中国海軍055型駆逐艦が正体不明のミサイルを試射した(筆者注:米軍当局は、満載排水量13000トンの055型駆逐艦を「巡洋艦」に分類している)。

 このミサイル発射の内容に関して中国当局は公式の説明を発表していないため、新型超音速対艦巡航ミサイル? 艦艇発射型極超音速ミサイル? かねてより噂になっていた対艦弾道ミサイル? といった、いくつかの可能性について推測がなされている。

 ネット上で公開されている写真の分析によると、最も可能性が高いのは水上艦発射型対艦弾道ミサイル「YJ-21(鷹撃21反艦飛弾)」と考えられる。

日本海を航行する055型駆逐艦(写真:防衛省)
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米軍当局が恐れる対艦弾道ミサイル

 アメリカ国防当局がその完成と性能を公に認め、アメリカ海軍も大いなる脅威と位置づけている中国軍の対艦弾道ミサイルは、地上移動式発射装置から発射されるDF-21DとDF-26Bである。ただし、H-6K爆撃機から発射されるDF-21Dの航空機発射バージョンが開発されている状況も確認されている。