さる4月28日は、サンフランシスコ講和条約が発効してちょうど70周年だった。
1952年(昭和27年)のこの日、わが国は占領軍の統治から解放されて、独立したはずだった。
日本の歴史上一つの重要な画期であったはずであるが、一般にそのような認識が乏しく、「独立記念日」としなかった。
本来、独立記念日とすべき日をしなかったという意味で、私は、この日を「悔恨の独立記念日」と呼ぶことにしている。
4月28日、産経新聞が「占領の呪縛を解くときだ―ウクライナの悲劇から学べ」と題する一本扱いの長文の社説を掲載した。
GHQ占領の呪縛を解くべきだと社説で述べた新聞は、1952年のサンフランシスコ講和独立後初めてのことだと思う。ここまで来るのに、実に70年間もかかってしまった。
戦後のGHQ占領下にあって、言論統制があったことを新聞の社説で最初に認めたのは、実は現行憲法施行50周年に当たる1997年の3月30日付けの読売新聞(「言論管理下の戦後民主主義」と題する一本扱いの長文の社説)である。
それ以来、ちょうど四半世紀ぶりに、今回の産経新聞の社説が出たわけである。
戦後、GHQによる言論統制があったことを社説で正式に認めたのは、この70年間でおそらくこの2本だけだと思われる。
近年においてますます強まる中国からの脅威に加え、2月24日からのロシアのウクライナ侵攻を契機に、国防を中心として日本の国の在り方が問われている。