(山下和之:住宅ジャーナリスト)
マンションか一戸建てか――マイホームの購入を考えるとき、誰もが一度は考える選択肢ではないだろうか。そこで、マンションと一戸建てでは購入する人たちの収入や年齢、購入動機にどんな違いがあるのかを、各種データをもとに改めて分析してみた。これからのマイホーム選びの参考にしてほしい。
全国的に見るとマンション住まいは「8世帯に1世帯」
まず、どこに住んでいるかによって、マンションがいいのか、一戸建てがいいのかが大きく異なるようだ。国土交通省が毎年実施している『土地問題に関する国民の意識調査』の令和2年度版では、【グラフ1】のような調査結果が出ている。
*本記事にはグラフが多数含まれています。配信先のサイトで表示されない場合は、こちらでご覧ください。https://jbpress.ismedia.jp/articles/gallery/69961
全国平均では54.9%の人が「一戸建て」が望ましいとし、「マンション」派は14.3%にとどまっている。しかし、住んでいる都市の規模によって大きく変化する。
政令指定都市では「一戸建て」は40.8%に減少、「マンション」が23.6%に増える。また、町村部では「一戸建て」が69.2%と7割近くに達し、「マンション」はわずか2.1%に減少する。町村部では戸建て志向が大多数を占め、大都市部ではマンション派が多くなる。
東京カンテイによると、マンションに住んでいる世帯の割合を示す2021年の「マンション化率」は全国的には12.82%。およそ8世帯に1世帯がマンションに住んでいるわけだが、これも都道府県によって大きな違いがある。最も低い青森県では0.92%と1%を切っているのに対して、東京都では27.8%に達しているのだ。
マンション物件の多さもあるだろうが、政令指定都市など周囲にマンション住まいの人が多いほどマンションを希望する割合が高くなるのかもしれない。