…と、なぜプロセスをそんなに詳しく私が知っているかというと、1年ほど前に、縁あって藤田館長と対談させてもらったからだ。(そのときの記事は、館のサイトhttp://fujita-museum.or.jp/topics/2021/09/17/1604/で)
ちょうど開館日の4月1日に大阪で仕事があったので、初日に行ってみた。展示物が置かれてから館内を見るのは私も初めて。エントランスホールの大らかさや、展示室内の「異物の少なさ」など、藤田館長のこだわりが改めて伝わってきた。
展示は常に3テーマで構成。1カ月ごとに1テーマずつを変更し、3カ月後に訪れれば常に全てが新しい展示になるようにするという。開館記念の4月は、国宝「曜変天目茶碗」と、同館が12巻全てを所有する国宝「玄奘三蔵絵」第1巻(鎌倉時代)が展示されている。
清々しい「イグジットホール」?
そして、これは藤田館長には言いづらいことなのだが、実際に開館した美術館を見て最も心を動かされたのは、“展示を見終わった後”の動線だった。