モスクワのルジニキ・スタジアムで開催された集会で演説するロシアのプーチン大統領(2022年3月18日、写真:ロイター/アフロ)

(藤谷 昌敏:日本戦略研究フォーラム政策提言委員、元公安調査庁金沢公安調査事務所長)

 プーチン大統領がなぜウクライナ侵攻を決意したのか。様々な専門家が多様な理由や見方を語っており、おそらくプーチンの決意には多くの要素が複雑に絡んでいるのだろうと思われる。

 今回、プーチンのウクライナ侵攻に際しての主張を見ると、
「ロシアとウクライナが分かれた1991年のソ連崩壊は我々の歴史における大惨事だ」
「両国の分離を長期にわたって許せば、先祖の記憶を裏切るだけでなく、子孫からも呪われるだろう」
「ウクライナ問題の解決を次世代に委ねない歴史的責任を自ら負ったのだ」
とし、さらに、
「ウクライナが東部の親ロシア派に対しジェノサイド(集団虐殺)を行っている」
「ウクライナは、ロシアの安全保障にとって脅威だ」
「ウクライナを非ナチ化する」
などと主張している。