写真:アフロ

数秒で判断をくだす遠藤航

 試合中に選手たちはどんなことを考えてプレーをしているのか。事前にどうイメージをし、たとえば首を振ったときに「何を見て」それをどう「アクションに落とし込む」のだろうか――。

 森保一監督率いる日本代表は、ワールドカップ出場権内の2位につけ、首位・サウジアラビアとの一戦を迎える。3月に行われるアウェイのオーストラリア戦とあわせて、この2試合は大一番だ。

 道のりは簡単ではない。アジア屈指のタレントを擁しながら、その実力をじゅうぶんに発揮できているとは言い難く、批判も多い。なかには「外から見ればごもっとだ」と思える批評もあるのだが、では森保ジャパンはなぜ、――対応すべき批判がない、という判断はないと仮定して――「それらに対応できない」のか。

 ひとつはやはり指揮官の提示不足の問題はあるだろう。万が一、改善策を提示していたとしたら、それがピッチで体現できていない以上、伝え方あるいは人選に課題がある。

 この視点は、多くのところで語らているのでそちらに譲るとして、もう一つ考えてみたいのが、「選手の目線」である。

 実際にプレーしている選手たちが、ピッチ上でどう判断し、何を考えているか。それらがプレーにどう影響するかはあまり話題にならない。

 そこで今回は、選手たちがどのくらい「瞬間的」に「さまざまな状況を加味して」「プレーを選択している」のか、ピッチ上における難しさを紹介したい。

 語ってくれるのは遠藤航。この代表シリーズでキャプテンを務め、不動のボランチとして欠かせない存在となっている。

 遠藤は昨年の11月から始めた「月刊・遠藤航」のなかで、実際にプレーした試合について、そのプレー意図を詳細に振り返る動画コンテンツを配信する。

「正解のないサッカーについて、最適解を探すために、日本サッカーに少しでも自分の経験したことを還元するために深堀りできる場所として」始めたと語る遠藤航のコンテンツ企画「月刊WATARU ENDO」

 昨シーズンブンデス1位となった「デュエル」がピッチ上でどんな判断をもとに体現されているのか、また、「実は意外と見えない」選手もいる、など選手にしかわからない視点は非常に興味深い。