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「大廃業時代」――日本経済新聞が2017年に報じた用語である。2025年には6割以上の経営者が70歳を超え、経常黒字ながらも後継者不在のため事業をたたむ企業が続出するという。そんな時代を先取りし、事業と後継者をマッチングするサイトを運営する人物が、株式会社ビジネスマーケットの表一剛社長だ。(企業取材集団IZUMO)

誰にも相談されない後継者問題

「ヤフオク!」「メルカリ」など、いわゆるCtoCビジネスのプラットフォームが一般化している。Webサイト「ビズマ(BIZMA)」も簡単に言えば「後継者がいない企業と、企業を引き継ぎたい人を引き合わせるマッチングプラットフォーム」だ。

ビジネスマーケットの表一剛社長(右)と、社外取締役の癸生川(けぶかわ)氏(左)。会社はモノのように売買できない

 立ち上げた人物は、株式会社ビジネスマーケットの表一剛社長。長年、監査法人や投資会社でM&A案件に携わるうち「このままでは日本経済を支える中小・零細企業が消滅する」と危機感を抱き起業した。

 サイトの立ち上げは2018年、しかし「ヤフオク!」や「メルカリ」のように「いくらで売ります、買いますよ」と簡単にいくものではないらしい。

「数年前に某テレビ局の企画でやったのですが・・・後継者問題がある会社に飛び込みで行くじゃないですか。すると明らかに困っているはずなのに、社長が “お前、オレに引退しろと言っているのか?” と怒り出すんです。相談相手が見つからないというより、見つけようとしていないんです」