2021年衆院選で支持者に手を振る日本共産党の志位和夫委員長(写真:つのだよしお/アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 共産党は11月27、28日の2日間にわたって中央委員会総会を開催し、志位和夫委員長による10月の衆院選の総括と、来年(2022年)の参院選挙を戦う方針を確認した。

 まず、政権交代を前面に押し出した衆院選での戦略について、志位委員長はどういう総括をしているのか。要旨は次の通りである。

・共産党は、「野党共闘で政権交代をはじめよう」と力いっぱい訴えた。都道府県・地区・候補者からのアンケートでも、政権交代への歴史的挑戦の訴えを行ったことは良かったという感想が、共通して語られている。「野党共闘で政権交代をはじめよう」という訴えは、最初のチャレンジとして歴史的意義をもつものだった。

・支配勢力――自公と補完勢力から見れば、心底恐ろしい展開となった。野党共闘によって、多くの候補者が小選挙区で敗北する危険が生まれただけではない。彼らにとって最悪の場合には、日本の歴史でも初めて、日本共産党が協力する政権が生まれることになるからだ。

・野党共闘と日本共産党が、支配勢力を攻め込み、追い詰めるなかで、相手も必死の反撃で応える──“政治対決の弁証法”の角度から、選挙結果をとらえることが重要である。