11月21日、2年ぶりに文在寅大統領が韓国国民の前に生身の姿を現した。事前申請を受けて選ばれた約300人(約200人はスタジオで、約100人はオンラインでの参加)の国民から、現場で質問を受け、文大統領がその場で答える形式で行われるKBSの「国民との対話」に出演したのだ。
テーマは「コロナ防疫」「民生経済」「ポストコロナの課題」に制限された。それほど、この日、文大統領と青瓦台(大統領府)が最も強調したかったテーマはコロナ関連問題だった。そして、文大統領は1時間50分余り、終始一貫してコロナ防疫に対する「プライド」と「自信」を示した。
感染状況は最悪でも「韓国が最も模範的に克服できる」
「K防疫をはじめ、大韓民国の地位が非常に高くなり、今ではほぼ世界トップ10の水準だ」
「すべての分野でトップ10と認められるほど、国家の地位が高まったというのが、(文在寅政権の)成果といえる」
「ワクチン接種は少し遅れて始まったが、今は世界で最も高い水準だ」
「どの国よりも韓国がコロナをもっと模範的に克服できると確信する」
現場に参加した市民も、文在寅政権のコロナ防疫を称賛した。
「韓国のK防疫について全世界が注目し、認めるほどの成果を成し遂げた。すべて大統領の指導と領導力のおかげだと思う」
ところが皮肉なことに、「国民との対話」があった21日の午前に発表された新規感染者数は3120人で、4日連続で3000人を超えてしまい、防疫医療体系には過負荷がかかって首都圏だけで病床待機者が800人を超えるという最悪のタイミングだった。2日前の19日には、金富謙(キム・ブギョム)首相が、集団感染、突破感染、病床不足の問題を取り上げ、事態の深刻性を警告したほど感染状況は悪化していた。