今季レギュラーシーズンは屈辱の3位に終わったが、来季の続投が決まった巨人軍の原辰徳監督(写真:AP/アフロ)

 巨人への風当たりが厳しい。今季のチームは球団史上4度目の10連敗を喫するなど終盤で大失速し、3年連続のリーグ優勝を逃して3位に沈んだだけでなく勝率5割を割ったまま借金1でシーズンを終えた。今季3年契約の最終年となっていた原辰徳監督は退任するとの観測も広がっていたが、来季続投が決まり、球団側によれば複数年契約を前提に今後まとめられていくという。

編成権も握る「全権監督」だけに逆風も激しく

 だが、V逸の責任をとることなく「居座る」格好となる原監督を糾弾する厳しい批判がネットやSNS、あるいは一部メディアから浴びせられ、現在も鳴り止んでいない。特に鋭い批判の矛先が向けられているのが全権監督の“罪状”である。

 昨オフに横浜DeNAベイスターズから国内FA権を行使した梶谷隆幸外野手と井納翔一投手の獲得にゴーサインを出したし、シーズン中の8月にはチームメートへの暴力行為で謹慎処分を食らって居場所を失った中田翔内野手も所属先の北海道日本ハムファイターズから無償トレードを打診されるとすんなり移籍を受け入れた。加えて米球界から出戻りで今季途中から巨人へ復帰した山口俊投手も後半戦で右肘違和感を発症した影響もあり、終わってみれば15試合を投げて2勝8敗、防御率3.56とパッとせず完全な尻すぼみだった。

 結局この4人の日本人新戦力は期待されたほどの活躍をレギュラーシーズンで残せなかったことで、チーム編成の権限も握っているはずの原監督に対し「何事もなかったかのように無傷で済まされてしまうのはどう考えてもおかしい」と指摘されているのだ。

 今季の先発ローテーションに関して言えば、中4日、あるいは中5日の登板を課すケースが多くなり、投手陣はブルペンも含め結果的にシーズン終盤で明らかにパンク気味になってしまった。この「中4、5日プラン」を提案したのは宮本和知投手コーチだが、それを容認したのは現場の総責任者である原監督なのだから、今季結果が出なかった以上は「とにかく腹をくくって何らかの責任を取れ」というのが、前出の批判派たちの主張である。なるほど、至極真っ当な意見だろう。